木漏れ日の下で

ピアニスト 末永匡 オフィシャルブログ

消えてしまった言葉、生きている自分

その人はもういない。僕の"もう一人の父親"という存在。大切な人の死を受けいれなくてはならないのに、血の気が引く中それをどこかで拒んでいる自分がいた。先日、葬儀を無事終えた報告を受け、それからだろうか、少しずつ僕の持つ僅かな言葉が、少しだけ息…

明日はベートーヴェンのセミナー

明日はベートーヴェンのセミナー。誰もが知っている悲愴も、ようやく3楽章にたどり着きました。 時に数小節しか進まなかったり、怒涛に話すときもあれば、沈黙が多かったり、驚いたり笑ったり不思議に思ったり。ベートーヴェンのテクスチュアを探れば探るほ…

悲愴2楽章を終えて

言葉を超えた感情が生きるAdagioという世界。セミナーを終えてそんなことを感じました。深い感覚に手を差し伸べると、そこには言葉では表現できない「何か」に触れます。その時に訪れる沈黙。これが何回訪れたことでしょう。マーラーについて語るバーンスタ…

adagio

beethoven piano sonata no.8 op.13, 2nd mov.Grande Sonate pathétique「言葉を失う」とはまさにこのことでしょう。adagioの世界が提示している音楽世界は、私たちが想像しうる全ての言葉を使ってもそこにたどり着けるものではないのかもしれません。第21回…

ベヒシュタインジャパン主催特別レッスン再開!

とうとうベヒシュタインジャパン主催の特別レッスンが再開します!場所は以前の浜松町ベヒシュタイン・サロンではなく、汐留ベヒシュタイン・サロン。(お間違いなく!)汐留ベヒシュタインサロン(株)ベヒシュタインジャパンHPより普段はサロンコンサート…

作曲してみる ~ブルグミュラー中篇終了~

末永「文を普通に読むのが難しい」加藤「作曲すること」こんな話から始まったブルグミュラークラスシリーズ2《中篇》。特に加藤君の話は、その場の空気に緊張感を与えました。しかし、それだけでなく「音に対する思い」のような温かなものも投げかけてくれ…

《ブルグミュラーに見る軸》

分析と表現のブルグミュラークラスシリーズ2が始まりました!あまりにも身近にある作品だからこそ、そして子供たちが弾く曲だからこそ、しっかり見直したい、そんな気持ちです。作曲家が、子供が弾くことを想定してい書いていたとしても、書いている作曲家…

『制約が与えたもの、オンラインと対面の共存』

大学が対面レッスンに変わってから2週間。この2週間は感染者数の様子を見てましたが来週から僕にレッスンは本格的に対面レッスン開始。通常のレッスン(1対1)は比較的気になりませんが、アンサンブルの講義は密室でのグループとなるので全員での積極的な発言…

対話

対話、繋がり、共有、共感、多様、違い、受け入れる、発見…コラボレーションには多くのエッセンスが含まれます。これは人間社会の縮図とも言えるかもしれません。だからこそ僕もこういうコラボレーションを今後も続けていきたい。コンテンポラリーダンス、ジ…

梅干し

妻が毎年続けている梅仕事。今年も始まりました。季節を感じます。

第19回「分析と表現」6月のスケジュール発表!

「とにかく楽譜は面白い」加藤真一郎氏(作曲家/ピアニスト)と末永(ピアニスト)が二人で立ち上げた企画「分析と表現」。気付けば次で19回目。はじめのうちは慣れないこともあったけれど、少しずつ次に活かすように改良を重ねてきました。さすがに色々と…

オンラインレッスンでの効果

朝、窓を開けると鳥の鳴き声が聴こえてくる…とても素敵な瞬間です。心の在り方ひとつで時間はゆっくり流れるし、早くも流れます。先日、プライベートレッスンでの生徒たちに送った「対面はまだ行わない、オンラインを継続」のメール。緊急事態宣言が解除され…

『自分の頭で、自分の言葉で』

一楽章の最後ベートーヴェンクラスのシリーズ3「ピアノソナタ8番作品13”悲愴”第1楽章」全4回を終えました。感無量というか、終えた後に訪れた部屋に満ちる沈黙がなんとも多くを含んでいました。音楽的な流れにそうように分析と表現も最後に向ってヒート…

『考えることをやめてはいけない』

緊急事態宣言が全面解除となったからこそ、喜ぶのではなくしっかり持っていたい緊張感。ワクチン等はじめしっかりとコントロール下におけるようになってから初めて心から喜びたいところです。さて、本日分析と表現「ブルグミュラークラスシリーズ1~前半」…

ベートーヴェン悲愴1楽章《第3回終了》

昨日のこと。分析と表現を終えました。分析に見る人間ベートーヴェン。気付けばこのイベントも17回目。年齢や立場を超えて学ぶ場所。皆さんからの感想には目頭が熱くなります。やってて良かったと思える瞬間です。ありがとうございます!次回は1楽章最終回。…

Stay at homeな時間

「家の中でたくさんやれることに気づいた」「気持ちが変わる。新しい空間になる。」…とても共感します。24時間という決められた時間は変えられない。これまでの生活でいかに勿体ない時間の使い方をしていたか。もっとスマートになれるものがあったはず。そ…

7万ドルと悲愴と増4度

分析と表現、ベートーヴェンの悲愴第2回終了。受講者からの興味深い質問は実りあるディスカッションを生みました。これでこそ双方向。決して一つではない答えをみんなで考えてシェアする。いつの日か受講された皆さんと弾き合いをしたいな。どんな表現と出会…

オンライン授業をする側受ける側、そしてブルグミュラーの小曲に在る大曲。

お互いに慣れないことをしているわけです。こういう時にハッキリと浮かび上がる「積極性」、そして「意識の高さ」。専門性におけるハードルの高さ低さは関係なくて。ただ学ぶのか学ばないのか。先生という立場の人間が一方通行で話し生徒たちが聴く。もうそ…

ブルグミュラーの世界にこれ以上何を見るのか

昨日の「分析と表現」終了後に届いた受講者の方々からの感想を読んでは、決して形式的な文体ではなく、それぞれの言葉で丁寧に、探るように、確かめるように温かく綴られたメールに胸を熱くしています。とても人間的な繋がりを感じます。ありがとうございま…

素敵な言葉。

【ベートーヴェンクラスシリーズ3第1回終了】

はい、予想はしていました。昨日楽譜をみて分析をしながら「明日は絶対に進まないな」と。と言うことで新シリーズ初回は3小節半で終わり。僕には楽譜を広げるとあらゆる要素が立体的に浮かび上がり一つの世界を創っている様子がハッキリうつる。あやふやな…

ベートーヴェンクラス締め切り

お陰様を持ちまして《分析と表現》ベートーヴェンクラスシリーズ3は、一定数に達したため申し込みを締め切らせていただきます。なお、ブルグミュラークラスシリーズ1に関しましてはあと数名空きがございます。

夜、練習

練習。最後の音を弾いた時、コンサートでの舞台上を思い出したらしばらく動けなかった。何かが溢れてきそうなんだよね。身体の中に想像以上の言葉にならないいろんな感情が積もってるんだろうな。--

セミナー「分析と表現」新シリーズ開始、新クラス開講!

~「徹底的に知る」がはじまる~と題した次回企画をお知らせいたします。※詳細は最下部にある画像をご覧ください。(クリックすると拡大されます)前回のベートーヴェンクラスシリーズ①は大きな反響を呼び、その声に応えるべくアンコールが企画されました。…

音楽が必要ではない時

朝バッハを練習して、途中本を読んで、窓を開けて外を眺める。その静けさというか、自然の音というか、そういうものに耳を傾けると今音楽は必要ないなと思ったので、そっと鍵盤の蓋を閉める。さて、コーヒーでも淹れよう。

分析と表現アンコール企画第1回終了

分析の第一歩から始まり再び始まったこの時間。結局進んだのは8小節のみ。そう言えばべートーヴェンクラス、シリーズ1の初回(1楽章)も8小節だけだったなぁと。楽譜がこんなに面白いとは…皆さんからの感想に共通して書かれているものです。その様に思っ…

感謝!

この度はお申込みをありがとうございました!一定数に達したのでここで締め切らせていただきます。2楽章素敵だなぁ…と窓を少し開けてしみじみ弾いている末永です。5日、10日とても楽しみにしています!

【残枠僅か】

そろそろ申し込み締め切を考えています。発表初日にすでに予定していた人数に達したのですが急遽枠を広げました。(前回の1楽章の時の倍の人数)ありがとうございます!あと数名まで大丈夫です。宜しくお願いいたします。

【分析と表現、アンコール企画両日無料】

お待たせいたしました!分析と表現、次のお知らせです。ベートーヴェンクラスシリーズ1で皆さんと学んだピアノソナタ1番第1楽章。嬉しい数々のお言葉を頂戴し、大きな支え、励みになりました。改めて感謝申し上げます。さて、アンコール企画をここにお知…

「分析と表現」全4回終了

昨日、「分析と表現」ベートーヴェンクラスシリーズ1(全4回)を終えました。たくさんの感想をありがとうございます。その中にあった「まるで一人一人に問いかけているような…」という言葉。正に僕らがセミナーで大切にしていることです。答えを他者に求める…