木漏れ日の下で

ピアニスト 末永匡 オフィシャルブログ

『考えることをやめてはいけない』



緊急事態宣言が全面解除となったからこそ、喜ぶのではなくしっかり持っていたい緊張感。ワクチン等はじめしっかりとコントロール下におけるようになってから初めて心から喜びたいところです。


さて、本日分析と表現「ブルグミュラークラスシリーズ1~前半」を終えました。楽譜に込められている可能性を細胞レベルまで分解し出来る限り引き出す。そして自分も含め受講者全員に問いかけ、考える。そんな時間を重ねていくと「25の練習曲 作品100」がいかに丁寧に仕組まれているものであるかを実感します。「練習曲だし、ステップアップが考えられてるよね」と軽々しく口にできない、ブルグミュラーの怖ささえ感じます。 


「このように弾くべきだ」 


この言葉がいかに危険なものを含んでいるか。加藤くんと細々と、しかし大切に温めながら続けているこの「分析と表現」。ここでは多くの問いが生まれますが明確な一つの答えはありません。この時間で学ぶ一つの方法が、実際に演奏(表現)する時、自分の頭で、自分の言葉で考える「きっかけ」となること。これが「分析と表現」でとても大切にしている目的の一つです。 


シンプルな作品をより深く見ることができなければ、大きな作品にさらなる深さを見ることは決してありません。(もちろん楽しんで弾くことは自由です。)「これでもか」というほどみても正直事足りず、それは終わりなき旅のよう。 


知る、楽しさ。
考える、楽しさ。
想像する、楽しさ。
表現する、楽しさ。
多様を知る、楽しさ。
そして自分を知る面白さ。


とにかくワクワクしたい。 


明日はベートーヴェンクラスシリーズ3の最終日。このシリーズで取り上げている作品は「ピアノソナタ8番悲愴第1楽章」。うーん、すでに感無量。まだ終わっていないのにね。しかも1楽章のみ。(シリーズ4では2,3楽章を取り上げる予定) 


「ほら、ここにこんなものがある。わたしは(ぼくは)こう思うけど、あなたならどう思う?どう感じる?これは(あなたにとって)何?」(別にたたみかける様には質問しませんが笑) 


そんな問いと共にいろんなアイデアを共有し、みんなと一緒に楽譜の奥を探る旅へ出たいと思います!