木漏れ日の下で

ピアニスト 末永匡 オフィシャルブログ

クラスコンサートの準備

とうとう明日となったクラスコンサート(発表会)。
今日まで本当によく頑張りました。

レッスンを終えたアトリエは、放課後の教室を思い出します。
誰もいないけれど熱が残っている…そんな感覚。
明日の準備も終え、これから静かに自分の練習。
明日は僕も一曲しっかりと演奏する予定です。

音楽作品の前では先生のも生徒もない。共に音楽に向き合う「仲間」です。
これは僕が学生時代先生からもらった手紙に書かれていた言葉。

生徒たちと一緒に音楽を創ることができてとても幸せです。
先ほど出演者全員に感謝のメッセージを送ったところ…

場所は大正時代に建てられたノスタルジー溢れる素敵な場所。
「音楽っていいな」と、ふと原点に触れられる親密で温かな時間にしたいと思っています。

出入り自由、入場無料。
どなたでも!気軽にお立ち寄りください!

 

ベートーヴェンの舞台「No.9〜不滅の旋律〜」再々再公演決定!

先月TBSから情報解禁されておりましたベートーヴェンの舞台「No.9〜不滅の旋律〜」。この度、再々再公演が決定いたしました!「再々再」は凄い。4回目です。2015年の初演から出演させていただき、気づけば10年の歳月。もはや人生の一部ですね…

www.no9-stage.com

稲垣吾郎さんはじめキャストの皆様の迫真に迫る演技、そして末永はもう1人の素晴らしいピアニスト梅田智也さんと一緒に3時間にずっと舞台上でベートーヴェンを弾き続けています。全公演出演予定なのでぜひ観にいらしてください。脚本は基本的に史実を軸にしているのでベートーヴェンの歴史を知る上でも大変勉強になります。

何よりとても楽しい舞台なのでぜひ!

そして本日TBSラジオ「エンタメ満載!ここだけの話」の収録がありました。梅田智也さんと。内容はもちろん来月から始まる舞台「No.9〜不滅の旋律〜」についてです。ピアニストから見たNo.9の「ここだけのいろんな話」を。お聴きいただければ幸いです。


アナウンサーの山内あゆさん、小沢光葵さんのお人柄とお声がなんとも素敵すぎます。末永の2ndCD「tragico(ベートーヴェン:悲愴、月光、熱情)」も手にとっていただきありがとうございます!感謝を込めて…!

TBSラジオ「エンタメ満載!ここだけの話」
11月9日(土)、16日(土)21:45 - 22:00

bangumi.org

13年間の「思い」は消えることなく〜エジプト〜

f:id:tadashi_suenaga:20241021162654j:image

With Shokran gazieren to my friends of the Cairo Symphony Orchestra and to the audiences in Cairo who have come to my concerts in the past. Please come to the concert at the Opera House on the 25th!

 「"ナイルの水を飲んだものは再びナイルに戻る"という諺をご存知ですか?」と2011年初めてエジプトを訪れた時に、その方は静かに教えてくれた。まさかその後13年間そのような関係が続くとは当時全く思ってもなく。

 今回の来埃は個人的に「極めて特別な意味」が込められている。プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番はそれこそ特別な意味の中心に存在するもの。一度僕の全てを壊したのはこの協奏曲。そこから這い上がるため、もがきにもがき続けたこの2年半から復活のきっかけを与えてくれたのもこの協奏曲だった。

 再びエジプトに来れるとは思ってもいなかった。あの時で終わりだと思っていた。今回は協奏曲ではなくソロや室内楽、オペラアリアなど。2年半前カイロ響の仲間たちに伝えることのできなかった気持ち。

 この13年間重ねてきた心の対話、音楽の対話があるからこそ彼らへの溢れる感謝を込めて演奏するだろう。カイロ交響楽団員の大切な友人たち、これまでコンサートに足を運んでくらた聴衆の方々に25日のコンサートにはぜひ聴きに来ていただきたい。

 

f:id:tadashi_suenaga:20241021162628j:image

f:id:tadashi_suenaga:20241021162622j:image

復興への願いと力


瞬きをすると数日過ぎている、そんな感覚のここ最近。
ご報告が遅くなり申し訳ありません。

6月15日に入間市文化創造アトリエアミーゴで行われたチャリティーコンサートを終えました。お陰様で満席のお客様にお越しいただきました。能登半島地震に対する「今、私たちができること」の気持ちを多くの方々がお感じになられているということ、なんだと思います。お客様はじめアミーゴ、入間ケーブルテレビ、そして演奏者全員が気持ちを一つにして行われたコンサートでした。

曲目も大変個性的にまとまり、皆さんの演奏も本当に素晴らしく。


所沢市役所からはボランティアスタッフとして実際に現地に行かれた危機管理室の高橋様のお話もあり、チャリティーコンサートにある種の緊張感と現地の空気感を届けてくださいました。終演後は子どもたちも一緒になってみんなで募金活動を。

最終的に「372,575円」のお気持ちが集まり、6月20日付で珠洲市に全額寄付されたことをここにご報告申し上げます。

「大切なことは忘れないこと」と高橋様は何度も投げかけられていました。

昨年、トルコ・シリア大地震のチャリティーコンサートでご登壇いただいた国際緊急援助隊救助チーム団長の山本氏も同じことをおっしゃっていました。

胸に留めておくべき言葉です。

同時に人の力が集まる素晴らしさと温もり。
留めておきたい思いです。

まだまだ遠い道のりと聞きますが、1日でも早い復興を心から願っています。

このコンサートに関わられた全ての方々に心から感謝を込めて。

完売御礼 〜能登半島地震復興支援チャリティーコンサート〜



お陰様で6月15日のチャリティーコンサート@アトリエアミーゴは完売となりました。多くの方々にお越しいただけることは「気持ちの表れ」と言えるでしょう。

本当にありがとうございます。

現地の復興はまだ先の見えぬ状況と聞きます。
「今、私たちができることとは?」という思いがいつも頭を巡ります。

当日は、復興支援で現地にボランティアで参加された所沢市職員の方のお話していただく予定です。また以前トルコ・シリア大地震の時に外務省から派遣された支援チームの方もコンサートに来ていただけることとなりました。

このコンサートに関わるすべての方々が胸に抱く「能登半島地震への気持ち」がございます。

重ねてお礼申し上げます。

 

思いを胸に 〜斎藤秀雄講義録〜

f:id:tadashi_suenaga:20240601104858j:image

「これはあなたが持っていて」と先日リハーサルの際に渡された古い冊子。

1972年(昭和47年)12月広島で行われた斎藤秀雄先生の講義録。冊子と言うのは、当時の講義を90分テープ22巻で録音しその後手書き起こしされた原稿でした。その後「斎藤秀雄講義録」と題して出版されています。

f:id:tadashi_suenaga:20240601104837j:image

斎藤秀雄先生とも交友があり「桐朋学園大学附属子供のための音楽教室を広島でも」と呼びかけた大畠弘人氏。「この人の音楽を残しておかなければ」と思いが募り広島分室の教師を対象とした講師の構想を元に行われた一連の講義。(斎藤秀雄講義録より)

手に渡された時、日本の音楽教育の歴史の一部に触れたような気がして心が震えました。

f:id:tadashi_suenaga:20240601104916j:image

美しき5月に溢れる緑に囲まれて〜アトリエコンサート〜

自宅アトリエの正式名称は「Atelier Wannsee(アトリエ ヴァンゼー)」です。

ベルリンは南西部にある地区。そこには大きな湖がありその辺りに末永は学生時代に住んでいました。

maps.app.goo.gl


19世紀後半から20世紀にかけて活躍していた画家Max Liebermannが「Atelier Wannsee」という作品を残しています。

今日は末永自宅アトリエで行われた小さなコンサート。プログラムはフランスもの。(フォーレラヴェルドビュッシーサン=サーンスなど)いつもお世話になっている近所の方々をお呼びしお話を添える小1時間を2回公演。妻のクラリネットも超絶熱演でした。昨年メシアンの「鳥たちの深淵」とベルク「4つの小品」に取り組んで以来何かが変わっているように感じます。

終演後さっそく次回のコンサートプログラムについて話し合い「あなたがベートヴェンだけ弾いたら?」という緊張感あふれるアイデアを笑顔で提案する妻。それも悪くない。ワクワクします。

今夜は妻と打ち上げでビールを、という感じではなく普段と同じように家族で食卓を囲み、子どもたちの学校の話を聞くといういつもと同じ夜。それがいいのです。

流石にパワフルなプログラムだったのか、倒れ込むように寝室に消えた妻。そろそろ僕も寝ようと思います。ではでは。