木漏れ日の下で

ピアニスト 末永匡 オフィシャルブログ

第3回Web音楽WS~分析と表現~を終えて



昨日第3回を終了、明日が最終日。


終わった直後はコーヒーを飲みながらただただボーっとしていました。


さて、Web音楽WSを始めてから一ヶ月。慣れないこともあり、楽しくやりつつも怒涛の一ヶ月だったように感じます。


ベートーヴェンピアノソナタ1番の第1楽章展開部。


こうやって細かく丁寧に見ていくと、いかに提示部で大小さまざまな素材が生まれているかを強烈に思わされます。


昨日はこれまでとは全く違う空気感でした。と言うのも素材の有機的な関りが「あまりにも」奥深く、表現の可能性が広がり、あと一歩で森の中に迷う感じにも。それでも多くのアイデアを投げかけ合うことで、遭難することなく再現部に。


作曲心理をのぞけばのぞくほどベートーヴェンという人間に恐怖さえ感じます。


終了後も参加者から多くの感想をいただき、決して表面的ではなく内側から生まれた言葉で綴られたものに感動いたしました。本当に恐縮の極みではございますが、頂戴したものを抜粋してご紹介したいと思います。

・どうしてこのように書かれているのか‥一人一人に問われている気がしました。

三善晃先生が『表現』についてお話しされていて、正にお二人の『分析と表現』だったので、さらにグッと来てしまいました。

・今弾いていると、別の曲のようです!

・詰まっているものは果てしなく面白いです。

・たとえるなら何となく見えていた外の景色を今一度窓ガラスをきれいに拭いて、視界を澄み渡った状態にして見直すようです。分析は表現のアイディアをみつけるために重要不可欠だと再確認しました。

・楽譜になにか新発見をしたときの喜びとは、たとえようのないものですね。

・息する暇もないくらいの学びを有難うございました。知れば知るほど、気づけば気づくほど興味深く、ワクワクしたり驚いたり感動したり…の90分でした!!

・楽譜に書かれてある事を読み取ってどう弾くか?のレベルを超えて、作曲家はなぜこう書いたのか?を読み解くという充実した時間を過ごさせてもらい、改めてベートーヴェンの凄さに畏敬の念を抱いております。

・音楽について、価値観の合う人や尊敬する人とじっくり話すことも出来なくなった今、本当に有難い時間でした。

・自身の主観や確信のもと表現・演奏する事も大切だと思いながら、聴き手や生徒達とのコミュニケーションの方法を考える素晴らしいきっかけをいただいています。

・私は大学などで専門的に学んだことがないこともあり、よけいに「ソナタ形式にのっとって曲を理解できるようにならなければ!」とか「この曲は、こういう風に解釈して表現出来なければいけないのだ!」とか、そんな気持ちで今まできました。が、今回のセミナーでは、当たり前のことだけど、ベートーヴェンも人間であり、本当に、隅々、いろんなことを考え、想像して作曲していたのだ、とか、セミナーを受けているうちに、不思議な空気感というか、今まで味わったことのない時間を与えていただいています。こういう積み重ねが、私の、想像力や、感受性にも少しずつ影響を与えてくれるような気もしています。

そして、こんな角度から書かれている嬉しいご感想も…!

・お二人の語り口が、魅力に溢れており、おつまみなしでビールを呑めそうです。


さて、明日は最終回です。まだ若干数ご参加いただけます。是非気楽にお問い合わせください。


なお、先ほど次回の開講クラスとシリーズ続編が決定いたしました。後日お知らせしたいと思います。


ベートーヴェンの音楽と出会うことが出来てよかった」と素直に思えている自分がいます。