木漏れ日の下で

ピアニスト 末永匡 オフィシャルブログ

no9 -終演-



1月7日、お陰様で千秋楽を終えました。全28公演。5年前の初演から数えて96公演。これまで積み重ねてきたものは必ず宿る。様々な思いを胸に臨みました。感慨無量。


コロナ禍でスタートした再々演。お客様、カンパニー、この作品を共有した「全員」で成し遂げられたものだと思います。


12月中旬に開幕した後も、本当に全公演完走できるか不安は消えず。毎朝公演中止の連絡が来ないかヒヤヒヤしてました。もしもの場合、ピアニストが1人になっても大丈夫なように2人分を1人で弾く用意も。何があっても対応できるように。


今回初参加のピアニスト梅田智也さん。彼の素晴らしい音楽に大きな刺激を受けました。初演、再演とそれぞれの特徴がありましたが、再々演はまた違った、鋭い音楽性の追求、芸術性の深さと広さ、命ある音楽が舞台の中で「生きて」いました。稲垣さんはじめキャストの皆さんから波動のように伝わる迫真の演技からも強く、強く影響を受けました。


そしてコロナ禍の公演を支えてくださった大勢のスタッフ。彼らがいなくては我々は舞台に立つことはできません。リサイタルでもそう。感謝が絶えません。


今回とても嬉しかったのは協賛のヤマハが演出の白井晃さんとピアニストの対談を組んでくださったり、楽器の提供だけでなくリハーサル会場など、積極的にこの舞台に関わりご協力くださったことです。


僕にとって、普段のピアノリサイタルや室内楽、コンチェルトも、エジプトのオペラハウスや洞窟で弾くのも小学校や幼稚園で弾くのも、以前演奏したゲーム音楽(ワンダと巨像)、現代音楽、様々なジャンルのコラボレーションも、この舞台no9も何も差はありません。音楽を通し表現、芸術の世界を追求することに大きな喜びを感じているし、それらの本質的な部分はどの場合でも変わらないのです。


「今生きている」と感じさせる創造の世界、表現の世界、芸術の世界。


ピアニスト梅田智也さんとは今年2021年12月に第九リスト2台ピアノ版全楽章のコンサートが決定。(詳細は追ってお知らせいたします)


舞台「no9 -不滅の旋律-」に関わられた全ての方々に心からの感謝を込めて


末永匡


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