今年も無事に門下のコンサート「matinee 2019」を終えることができました。
そこは昨年同様、ひっそりとした地下に降りていくと素敵な空間が広がる「松明堂音楽ホール」。「音」に耳を傾け、味わうにはちょうど良い広さ。小ぶりのベヒシュタインも総アグラフタイプのもので、絹の様な繊細な音色の糸が埋もれることなく空間の隅々まで行き渡ります。プログラムもバラエティに富んだもので4部構成。ソロだけでなく室内楽、バロックから現代曲まで。本当にたくさんのお客様にお越しいただき、熱気あふれる会場となりました。
4時間にわたるコンサート…それは「素晴らしかった」の一言に尽きます。
一つの作品に向かい続けること。そこには数多くの乗り越えるべき壁があり、そしてその道のりにはたくさんの学びが溢れています。
壁を乗り越えようとするのも、道中にある学びに価値を認めるのも、最終的には自分で決めること。ピアノをするのもしないのも。どう弾きたいか、ということも。
苦しいこともあるでしょう。
しかし生徒たちは全員それを「自分で決断」し乗り越えてきました。
客席ではなく、舞台袖で聴く生徒たちの音楽に「それぞれの決意」を思い出しては一人グッとこらえるものを胸に潜めサポートに徹しました。
一体どのくらいの音色がホールを舞ったのだろう?
色鮮やかに空間を彩り、踊る音、歌う音、そして静寂。
そこには「それぞれの音楽」がありました。
そんな生徒たちを誇りに思います。今回の発表会に出れなかった人も、是非来年は自身の音楽世界を披露していただきたいです。
生徒たち、お客様、そして調律師のNさんはじめ全ての関係者に心から感謝申し上げます。