終始何かを問われ続けているような感覚。
昨日「春のめざめ」を観劇。
とても楽しみにしていました。
初めてのものには基本的に予備知識なしで出会うことにしているんですが、今回もそう。事前に文字情報を(申し訳ないと思いつつも)入れずいつも通りの自然な感じで観劇へ。
このスタイルは音楽でもそうなんだけど、初めて出会う作品とは基本的に何も知らない素の自分と対峙させようとしていて。いつからそうしたかあまり覚えてないんだけど多分学生時代くらいだったかな。
「何も知らない今の自分が持つ心でその作品の奥に入り込んでいきたい」
そんな気持ち。当日配られるプログラムによくある、これがいつ書かれどういう構成になっているかとか、誰が関わりその時の社会的背景がどうだったとか等は終演後、後日ゆっくり思い返しながら読むのが好きで…。
まぁ、そんな感じでワクワクしながら観劇した「春のめざめ」。とても素晴らしかったです。冒頭にある通り「終始何かを問われ続けているような感覚」に支配され苦しくなったり救われたり。
観劇中ずっと、まるで19世紀終わりから20世紀前半にかけての音楽(ベルクやシェーンベルク等)を聴いているような感覚に襲われていたんだけど、原作のヴェデキントは※ルルの作者であることを終演後白井さんと話している時に知り「なるほどなー!」と。(ルルは20年前、学生の時に弾いたきりで、当時僕は一体何を見てたんだろう)
※ルルを題材にベルクはオペラを書いています。未完でしたが補筆された経緯有り。
関係ないけれど、どこかでセナンクールのオーベルマンも脳裏によぎったり、とにかくいろんなものが僕の記憶から引き出され、細い線が絡み合うように互いを呼び起こしていました。
言葉にならない深い感動。
それが心地よいものなのか、それともそうではないものなのか、そんなことはどうでもいいんですよね。「"何かを"僕に問いかけ続ける"何かが"心のどこかに芽生えた」そんな種を植え付けてくれた今回の舞台。
とてもいいものを観させていただきました。ありがとうございました!
再会への嬉しさも感じつつ…