木漏れ日の下で

ピアニスト 末永匡 オフィシャルブログ

しばらく大分にいます。

先日の熱は冷めやらず。
※APUでのコラボレーションこちらをご参照ください。
http://tdsuenaga.blogspot.com/2019/04/apu-collaboration.html


お客様含め、この公演に関わられた全ての方々の情熱が集結し渦を巻いたAPUでの時間。それを優しく包み込む別府の街と別府湾。


他の色々な写真と一緒にあと少しだけ感想を綴ります。


今回使用されたホール。座席数730名、ミレニアムホール。
ピアノは素敵なYAMAHA S6でした。

「これがAPUかぁ!」と3人とも声を揃え大学構内へ。僕らが向いている方向の先には豊かな別府の自然と、壮観な別府湾の景色が。「こんな環境で勉強できるのは素晴らしいなぁ…」と感じつつ、ヨーロッパに留学していた時のことを思い出したり。環境が似ている。僕にとって「静かに学びと向かい合うこと」はとても大切。

構内を案内してくれたのは学生のお二人。ベトナム人のダット君と中国人のチョウさん。お二人とも素晴らしい日本語でいろいろと説明してくださいました!事務や先生ではなく「学生の目線」で大学の説明を「彼らの言葉」で聴くのは大変面白かったです。また、このような役を学生に任す大学との信頼関係も素晴らしい。お二人の言葉や表情から「この大学でどれだけ充実した時間を過ごしているか」も強く感じました。この後、僕ら5人で学食ランチ。これまた美味しくて。

大学構内というより「街を歩いているよう」な感覚に。

様々な施設を見学させていただいた中でも、ここの場所は特に印象的でした。学生が学生に言語を教えるスペース。これは国際色が強い(ほぼ半数が海外からの留学生)大学ならではですね。日本にいながらも、若い時に「生きた言葉」を学べるって絶対に体に残る。他にも「グループワーク専用」のスペースがあったり、学生たちが「主体」となって「コミュニケーション」を軸に「様々な活動」を行える可能性を大学側が提供しているのが素晴らしい。これらは学びにおいてとても大切なこと。そしてここで経験したことは卒業した後「生きる力」となって確実に活かされていく。

出口学長とお会いし、やってみたかった場所でやってみたかったことを。ゾクゾクしました。

学食での一枚を忘れていました。

数時間のリハーサルを終え会食へ。大阪や東京から来られた大阪大学やメディアの方々。あまりにも面白い話がテンポよく飛び出し、圧倒的な関西の会話リズムに抱腹絶倒。同時に、広い世界に意識を向けた活動から生まれる数々の言葉にグッとくるものも。




日本舞踊の山村若静紀さん、ジャズダンスの柴田侑子さんの息をのむ動きに新たな音色、音楽表現が引き出されました。指先一つで時間が止まったのでは、と思わせるマイとダンス。音楽が加わり、時に融合し時に反発し合う。自然な対話。


出口学長とのトークショー。「文化の交流」「グローバルな視点」「社会と芸術の在り方、関わり方」など限られた時間でしたが大変興味深い話題を出口学長から引き出していただきました。あまりに充実した話に時間が足りません。

終演後、出口学長を囲んで4人で素敵なディナーを。先ほど時間が足りなかったトークショーの続きを秘かに楽しみつつ静かに過ぎていく別府の夜。

ずっと気になっていた安心院ワイン!とても美味しくいただきました。いつか機会があったら安心院に行ってみたいです。




後日行われたワークショップ。たくさんの参加者にお集まり頂きました。僕はピアノを弾きつつも、途中参加者の皆さんと一緒に体を動かしました。想像以上に動かない自分の体。悔しさをバネにたくさん指を動かしました。シンプルに見える動作一つにこんなにも厳しく、細かく要求されているのか、と。身体が悲鳴をあげました。いやはや…まいりました。

最後は参加者と写真撮影♪子供から大人まで様々なジェネレーションでワークショップを楽しみました。(写真掲載は許可済)

時系列が少しずれてしまいましたが、コンサートの翌日朝刊に載せていただきました!テレビでも放映されたとのことです。ありがとうございます!

飛行機まで2時間程度あったので散歩したり温泉入ったり。今回泊まっていた宿には古いアップライトピアノが。メーカーはDIAPASON。「調律が…」と仰っていましたがノスタルジックな音色で、宿の談話室の雰囲気にぴったりでした。ここで静かな音楽が奏でられたら素敵だろうなぁと思いを馳せたり。


宿のすぐ裏にあるカフェ(明治32年の旅館を改築)「FUJIYA Gallery」を勧められ、行ってみると古いピアノが。グランドピアノが置いてある場所は普段コンサートをされているそうです。弾かせてもらうと、優しく空間に響く音色に包まれる感覚。コンサートのご縁を願いつつ。すると、静紀さん(日本舞踊)と侑子さん(ジャズダンス)が即興で踊りはじめ、小さなサプライズとなりました♪ アプライトピアノはTRAUTWEINというドイツのピアノ。初めて見ました。もちろん弾かせてもらい、古き良き音色を堪能。店内のレトロな雰囲気にもマッチして、その場でお客様と談笑。静かで素敵な時間です。


お店を出ると、(写真にはないですが)ドイツテレビ局Pro Siebenの撮影クルーが。別府の素晴らしい瞬間を撮られているとのこと。他にも日本各地のみならずアジア各地の撮影も。その場で昨日のコラボレーションのことやワークショップ、そして日本舞踊とジャズダンスの素晴らしいアーティストを紹介し、想像以上に話は盛り上がりました。その後蒸し湯へ。薬草が敷き詰められた中で蒸されその後温泉へ入り、タクシーに乗り込んだ僕らは空港まで無言。寝...。


さようなら別府。全ての瞬間が輝きに溢れる素晴らしい時間でした!