木漏れ日の下で

ピアニスト 末永匡 オフィシャルブログ

セミナー in 広島県廿日市

セミナーを受講してくださった方々のレポートを拝読。


グッと泣けてきました。


「音色」のテーマは単なる打鍵やペダル等の話ではなく、心の深いところを探るとても複雑で時に苦しい「考えさせる」時間。明確な問いと解があるわけでもない。僕が今までしてきた数々のセミナーやレクチャーの中でも、最も難しいテーマの一つ。なので「音色」のテーマを依頼されると「むむむ…」と特別な気持ちが湧いて気持ちが強烈に引き締まるのです。


「自己を探る行為」とは消すことのできない自分自身の真実を覗くことで、それは時に残酷なものを突きつけられることも。荒涼と化している自己の景色を見てしまったら、諦めるのではなく、そこに種を蒔けばいい。タイミングなんてのはいつでもいい。生きている限り。種を蒔かなければ芽生えるものはないし、木々は育たず森はできない。


僕は決してファンタジーを語っているわけではなく、本に載っていることをなぞって語っているわけでもなく、これまでの人生の中で五感を通して感じ得たあらゆる経験を話しているだけです。自分の奏でる音色の全てはそこから生まれているから。打鍵やペダルの話はその感覚を共有したあと。


音色の話は「生きる」話が伴うもの。始まりがなければ終わりもないたくさんの「何だろう」を蒔く時間。


子供から大人まで満席の会場は熱気に包まれていました。レポートでは色んな素敵な言葉を残してくれて本当に嬉しいです。


大平美紀先生はじめ全ての関係者に心から感謝申し上げます。