僕が所有しているピアノはベヒシュタインというメーカー。
創業は1853年ドイツはベルリン。同じ年に産声を上げたピアノは他にスタインウェイ(ニューヨーク)、ブリュートナー(ライプツィヒ)など。凄いですよね。
それぞれのメーカーには特徴があるけれど、同じメーカーの中でもそれぞれの個性が。
我が家にあるベヒシュタインを一言でいうと…「とても厳しい」。
この表情そのもの。これは創業者のカール・ベヒシュタインさん。恰幅の良さといい髭といい。漫画に出てきそうですね。
最近は自分のピアノとあまり良い関係ではなく、弾くたびに自分の音楽が跳ね返されてた、そんな感じでした。絶不調の時は一音打鍵するのもしっくりこなかった。
「厳しい」というのは両方の意味があるんだけど、良い意味で言えば「繊細な音色を出すために鍛えてくれる」。悪い意味…というかあーあって気持ちになるのは「たまにはちょっとくらい許してよ、こだわるのはいいけどさ」って気持ちにさせ、僕をピアノから遠のかせる。大袈裟な話ではなく、自分の全てが否定されピアノ弾くのが本当に怖くなる、そんな時も。
その時の状態が「そのまま音」に。
奏者を裸にするピアノ、ベヒシュタイン。
じゃじゃ馬の名馬、ベヒシュタイン。乗りこなせば素晴らしいパートナーになる。それまでが大変だけど。
先日「音と向き合えた気がしました」という記事を書いたけど、その時から少しずつ、少しずつ近くなってきた気がします。
今日はベートーヴェンとシューベルトでベヒシュタインが音楽と心の良き架け橋となってくれました。
最後に、上記はあくまでも末永所有のベヒシュタインのお話です。ベヒシュタインピアノについてベヒシュタインジャパンのサイトにそのストーリーがありました。ドイツでは頻繁に目にしていたベヒシュタイン。日本ではあまり見ませんね。限定されたメーカーだけでなく、ヨーロッパみたいにいろんなピアノメーカーに溢れることを切に願ってやみません。
最後の最後に、この記事冒頭にある画像をみて「まさか末永の自宅なのか?」と思ってしまった方々のために説明を。これはワイマールにあるリストの部屋です。使用しているのはベヒシュタインピアノ。今もまだそのままの状態で残っています。部屋の後方にある小さく見えるのはベートーヴェン。ブラームスにしてもそう、リストも、ベートーヴェンが後世に与えた影響は計り知れないものがあります。