木漏れ日の下で

ピアニスト 末永匡 オフィシャルブログ

別れ、そしてエジプトへ

先日、大学のレッスンを全て終えました。

副科ピアノ、主科ピアノ、学部と大学院の室内楽

それぞれのレッスンに言葉で語り尽くせないドラマがあります。

彼らとはたくさんの言葉と音で深い対話を続けました。決して諦めず。

時に困惑したり、考え込んだり…そこにはいつも様々な感情が姿を現し、一直線に並んだり糸のように絡み合ったり、時に切れてしまったり。

常に「自分に問いかけること」はとても大切です。なぜなら多くの答えはそこに潜んでいるから。「一番肝心なこと」は本には載っていません。"それ"は自分の心の奥底に小さく芽吹いて、見つけてもらうことを待っています。

4年間という限られた時間を、大学という教育機関でどう過ごすか。ここは誰かが何かを教えてくれるところなのでしょうか?大学は「気付く場所」で、どんな講義もレッスンも全ては「気付くためのきっかけ」と言えるのかもしれません。…なんて個人的にふと思ったり。自分の今は亡き恩師たちを思い出しながら。

学生たちの心、そして出会いと音楽に感謝です。お陰でとても有意義な時間を過ごすことができました。彼らは弱い自分に気付いても結局最後まで立ち向かいました。何か答えらしきものが見つかったかどうかはわかりませんが、彼らの演奏の中には、その心によって創られた「強い音楽的意思」を感じ取ることができます。時に指がうまく動かなくてもね。

そして、必ず訪れる別れの時。

これからどんな人生が待ち受けているかわかりませんが、陰ながら皆さんを応援しています。


さて、…少しずつ足音が聞こえてくるエジプト公演。昨日日本を発ちアブダビを経由してエジプトはカイロに到着しました。

早速オペラハウスに向かったら入り口にドーンとポスターが。末永は3番です。楽屋に回ると練習を終えた団員たちが。みんな覚えててくれてて笑顔でハグをします。多くの方々の理解と協力によって支えられているコンサートという時間。様々なドラマが待ち受けているのを感じます。それではまた…!
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