木漏れ日の下で

ピアニスト 末永匡 オフィシャルブログ

エジプトでベートーヴェンを


2020年はベートーヴェン生誕250年記念。世界各地でベートーヴェンが演奏され、様々なベートーヴェン像を耳にすることでしょう。


2011年に初めて渡埃してから7回目のエジプト。半年前にあったヴァイオリニスト五嶋龍氏との共演が記憶に新しいです。これまで様々な協奏曲をオーケストラと共演させていただきました。オーケストラ、マエストロAhmed El Saedi氏とも温かな関係を築くことができ、とても幸せです。


そして今回初めてベートーヴェンを共演します。曲目はピアノ協奏曲第3番。ずっと取り組みたかった作品です。


カイロの中心にあるオペラハウスで1番から5番までの全5曲を、1月から2月にかけてエジプト内外から招聘されたピアニストたちで演奏していく、言わば「エジプトという地でベートーヴェンにより世界がコネクトされていく」壮大なプロジェクト。


アーティストは、フィンランドからラウラ・ミッコラ、イタリアからロレンツォ・タッツィエーリ、ジュゼッペ・アンダローロ、エジプトからラムジー・ヤッサ、そして日本は末永です。



オペラハウスでのコンサートとは別に3つのコンサートが予定されています。基本的にはピアノソロですが、地元エジプトの素晴らしいチェリストMohamed Salah Mahmoud氏とも共演します。曲目はもちろんベートーヴェンチェロソナタ第3番。他にもフォーレラフマニノフなども。



その中の一つがマンセット・ナシェルという街にある洞窟教会。現地の子供たちの合唱も参加してくださることに!正に「音楽でみんなが繋がっていく」時間となるでしょう。(ここの街については別途記事にします)


音楽で世界が繋がる…これは僕の音楽活動の中で特に大切にしている気持ちの一つです。「音楽」によって湧き上がる感情。それらは人々の心を繋ぎます。


「政治では難しいけれど音楽はいとも簡単に人の心に入っていく」という言葉を思い出します。音楽を共有することが許されるのであれば、そこには暴力、クスリ、銃や戦争は生まれず、勇気、優しさ、愛が生まれます。それは結果「平和」が在ることを意味します。


僕がピアノを通して生きていく背景に平和が訪れることを祈っている気持ちが一緒にあることは決して大袈裟ではないのです。


多くの方々の理解と協力があってこそのエジプト公演。感謝を胸に、思い切りベートーヴェンを演奏させていただきます。


是非聴きに来てください。素晴らしい時間を共有しましょう!


※下の写真は前回のものです。

ホテル屋上からナイル川を見下ろす

ピラミッドの真下から